2017年7月7日金曜日

一橋大学の事件、すべての大学に対する声明

全ての大学に対して、ヘイトスピーチから被害者を守るためのルール・差別禁止規定を設けることを求める声明


たちは、立命館大学において起こったヘイトスピーチ事件の解決を求めながら、「キャンパス・ヘイトスピーチ」に関する相談活動を行っているグループです(http://hatesoudan.strikingly.com)。

の間、一橋大学第21回KODAIRA祭における講演会企画をめぐって、ヘイトスピーチや個人情報の拡散、ヘイトクライムの示唆・扇動が見られたことを受け、全ての大学に対して、ヘイトスピーチから被害者を守るためのルール、差別禁止規定を設けることを求める声明を出すことにいたしました。

たちは、2013年に立命館大学で嘱託講師がヘイトスピーチ被害にあったことを契機に活動を開始しました。立命館大学が、その被害に適切な対応をしなかったため、公開質問状の提出や公開研究会の企画などを行って責任を問うてきました。また、独自に相談窓口を設け、その周知を学内で行うと同時に、「レイシャルハラスメント・ポリシー」および「解釈ガイドライン」のモデルを作成しネット上で配布するなどの取り組みを行ってきました(http://hatesoudan.strikingly.com/#_6)。

命館大学は、依然として公開質問状に対して回答はしておりませんが、ハラスメント研修において「レイシャル・ハラスメント」という言葉を使うようになるなど、少しずつ変化をしてきております。しかし、ヘイトスピーチから被害者を守るための明示的なルール作りは行われておらず、2013年の事件や今回の一橋大学における事件のようなことが再度起こった際に適切に対応できるのか心もとない状況が続いております。

えば、私たちの作成した「解釈ガイドライン」では、「学生組織やサークルなどが、民族差別を公言する発言者を呼び学内でイベントを開く」ことも「大学構成員によるインターネット上のヘイトスピーチ、あるいは大学構成員が被害者となっている インターネット上のヘイトスピーチを大学が知りながら看過・放置する」ことも 「レイシャル・ハラスメント」です。当然ながら、そのような行為に対して大学は迅速かつ断固とした対応をとる必要があります。しかし、そのような「レイシャル・ハラスメント」についての理解が共有されていなければ、仮に包括的な「ハラスメント・ガイドライン」において民族的・人種的な差別・ハラスメントに関する言及があったとしても、適切な対応はできません。それが私たちが「レイシャルハラスメント・ポリシー」および「解釈ガイドライン」のモデルを作成し、改めて今回ヘイトスピーチから被害者を守るためのルール・差別禁止規定を設けることを全ての大学に求める理由です。

たちは、自治を重んじ、言論や表現に対して特に開かれているべき大学であるからこそ、「大学の自治」「表現の自由」の名のもとに差別の扇動を行うもの、またそれを許すものたちに対して毅然とした態度をとる必要があると考えています。しかし現状では、何が大学として許すべきでない行為なのかに関する議論、認識の共有が避けられていると言わざるを得ません。そのためヘイトスピーチ事件が起こった際に、大学の対応が後手になり、加害者に毅然とした態度がとることができず、被害者保護ができないという状態が続いています。これでは言論の場としての大学の社会からの信頼は落ちるばかりです。
私たちは、全ての大学関係者に対して、ヘイトスピーチから被害者を守るためのルール・差別禁止規定を設けることを求めます。

「立命館大学ヘイトスピーチ事件の解決を求める会」一同